患者さんが誤解しないようにしたり理解不足にならないようにしたりするために私がご提案できることは二つあります。
●患者さんとともに病院に赴き一緒に医師からの説明を聞き、説明中あるいは終了後に患者さん理解の補填を行うこと。
●患者さんの疾患に関して第三者的意見のご提案をすること、ご相談を受けること。
インフォームドコンセントという言葉を聞いたことがありますか?
医師は頭文字をとってI.C.(Informed Consent)アイシーと呼びます。その意味は「理解と同意」。
つまり患者さんが医師からの説明を十分に「理解」し、提案された医療を「自己決定権を持つ患者さんが自分自身で決めて」受けることに「同意」することを言います。医師である私が直接同行し、患者さんの理解を助けるお手伝いをします。例えば、患者さんにとってはわかりにくいだろうなと思われる所があれば、途中で私から質問をさせてもらったり、説明終了後にもう一度砕いて繰り返し同じ説明をするということも可能です。
例えば急に重篤な病気であることがわかり疾患の説明や治療の説明がその日のうちにされたという方も多いと思います。大きな病気であるほど選択に急を要する時もあるのは確かです。もっとじっくり考えたいと思っても時間がないかのように言われることもあるでしょう。他の病院に行って他の医師に治療内容について相談することをセカンドオピニオンと言います。セカンドオピニオンを希望すれば患者さんの権利として他の病院にかかることは可能ですが、現実は盛んに実施されているということはありません。
●自由診療であり実施する病院毎に料金が異なるが多くの場合高額であるから。
●病院間での紹介手続きが必要で、担当医からの詳細な診療情報提供、これまでの検査データなどを全て揃える必要があり、実際に行うまで時間がかかるから。
●あくまで「最初の病院で提案されていたことが間違いでない」ことを保証するためだけに行われることが多いから。
無意味なものと言うわけではありませんが、患者さんも担当医師も労力を要する上に、治療開始が遅れてしまうというデメリットもあり、誰彼も気安く行っていないという現実があります。患者さんにとってもむしろ不利益に働くことが多いことをわかっているため、セカンドオピニオンを希望されることを嫌がる医師は多いです。患者さんは嫌がる医師の態度を見て「私が担当医を信用していないと思われたのではないか」と誤解されているケースは多いようです。一方でそのような誤解を招いているということを知る医師は少ないかもしれません。輔翼では紹介状はもちろん、データなども全く必要ありません。患者さんが認識している情報のみでご相談いただけます。検査結果など情報があるに越したことはありませんが患者さんが現在どのように認識しているかだけ、まずはお話しください。「医師がどのような人でどのような説明をしたのか」「病気はどのようなもので重症度合はどの程度か」「誤解があるのかどうか」などを推測し、今後の病気、病院、担当医師との向き合い方をアドバイスすることができます。